■『要求と決定』
「ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。」
(ルカ23:24)
ピラトは、ユダヤの地で人の生死を決定する権威と権力を持った唯一の人間でした。そして、人々の要求がなければ、彼の判断は決まっていました。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」(ルカ23:22) しかし、その判断が決定に至ることはありませんでした。「暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。」(ルカ23:25) 人々の声が激しかったからです。「人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。」(ルカ23:23)
このとき、ピラトはキリスト・イエスに向かい合っていました。自分がイエスの生死を決めることのできる者であるかのように言いました。「お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」(ヨハネ19:10) しかし、それをはるかに優る権威があることを示されます。「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。」(ヨハネ19:11) 「わたしの国は、この世には属していない。」(ヨハネ18:36) その国の門が、ピラトの目の前にありました。「わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」(ヨハネ18:37) ピラトにも神の御前での自分の判断があり、自分の心はあったのです。しかし、その心のまま進むことはありませんでした。
キリスト・イエスは、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受けました。ポンテオ・ピラトとは何者か。
「ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。」